人工知能学会セミナー「ChatGPTの仕組みと学校教育での使い方を理解しよう」

講演概要

人工知能学会(JSAI)では、人工知能に関する知識を中高生に伝えていくため、中高生向けまたは中高の教員向けのイベントを定期開催することを計画しております。今回はその一環として、教員の方々にAI技術やAI技術の教育に関心を持っていただくことを目的に、現在大きな話題となっているChatGPTを取り上げたセミナーを実施します。
本セミナーでは、専門家によるChatGPTの技術解説と、実際の教育現場での応用事例紹介を提供します。技術解説の講師には長年AIとの対話に関する研究を進めてこられた東中先生をお招きします。また、応用事例の講師には、すでに授業や学校の校務でChatGPT利活用を進めている先生方をお招きし、教育現場での使い方をご紹介いただきます。
本セミナーには人工知能学会の会員であるかどうかにかかわらず、無料でご参加いただけます。どうぞふるって参加お申し込みください。

講演内容

技術概説

東中竜一郎教授(名古屋大学)

  • 講演タイトル:ChatGPTの仕組みと大規模言語モデルの現状
  • 講演概要:
    ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルの進展により、多くの知的作業が自動化できるようになった。本講演では、ChatGPTの技術解説をなるべく分かりやすく述べるとともに、近年の大規模言語モデルの現状について概観する。また、大規模言語モデルを実際に用いる上で障害となるハルシネーションへの対応や教育分野に関わる研究をいくつか紹介する。
  • 講演者紹介:
    2001年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程、2008年博士課程修了。2001年日本電信電話株式会社入社。2020年より、名古屋大学大学院情報学研究科教授。対話システムの研究に従事。博士(学術)。人工知能学会企画・セミナー担当理事。

教育現場での応用事例紹介

林兵馬教諭(神戸大学附属中等教育学校)

  • 講演タイトル:高等学校におけるChatGPTの利用の問題点とその指導事例
  • 講演概要:
    高等学校でのChatGPTの活用例と、ChatGPTを含む生成AI使用時の問題点に対する指導例を紹介する。
  • 講演者紹介:
    2017年より現職。中学・高校においてDS教育・課題研究に従事し、現在は校内の課題研究の取りまとめを行う。2020年より神戸大学数理・データサイエンスセンター客員研究員を兼務。2023年より産総研人工知能技術コンソーシアム教育WGリーダー。第18回日本統計学会統計教育賞受賞。

芳賀康大教諭(京都府立西京高等学校)

  • 講演タイトル:高等学校の英作文指導におけるChatGPTの利用事例と課題
  • 講演概要:
    令和5年10月に勤務校が文部科学省より「生成AIパイロット校」に指定されたことを受け、英語の授業、特に受験指導の中で、教員にも生徒にもメリットの生まれる生成AIの利用方法を模索しています。今回はその中で、自由英作文の指導における取り組みを紹介したいと思います。
  • 講演者紹介:
    2019年度より現職。戦略的イノベーション創造プログラム(内閣府)・リーディングDXスクール生成AIパイロット校(文部科学省)の実証校としての研究に携わり、「ICTを効果的に利用した授業」について日々試行錯誤している。

橋本三嗣教諭(広島大学附属高等学校)

  • 講演タイトル:中学校・高等学校の探究活動においてChatGPTをどう利用するか
  • 講演概要:
    現在、中学校、高等学校において「探究」が注目されている。その場面は教科の授業や総合的な学習(中学校)、総合的な探究(高等学校)の時間と多岐に渡る。問題発見や問題解決の場面でChatGPTはどのような力を発揮するのか。事例をもとに紹介する。
  • 講演者紹介:
    2007年度より現職。スーパーサイエンスハイスクールの研究開発に携わり、令和3年度より研究部長として、科学教育カリキュラムの作成等に従事している。「教科探究」と「総合探究」の往還の実現を目指して、有益なChatGPTの利用について模索している。

対象

中学・高校やそれに準ずる学校で教育をされている方を対象とします。

  • 人工知能技術の仕組みの教育に関心がある教員
  • ChatGPTの教育現場での応用事例に関心がある教員
  • ChatGPTを用いた業務効率化に関心がある教員

 

【参加募集】第91回人工知能セミナー (2024.3.30)「ChatGPTの仕組みと学校教育での使い方を理解しよう」

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